ひと昔前のウィッグ(かつら)はつむじがなかったり、ネットが見えたりして、ウィッグであることがすぐにバレてしまいましたが、最近のウィッグはとても自然でウィッグと全くわからないものもあります。
数千円の安いファッションウィッグはどうしてもウィッグ感でてしまいますが、値段が高ければ高いほど自然なウィッグというわけでもありません。お手頃な価格のウィッグでもちょっとした知識やコツでウィッグを自然にみせることができます。私は試行錯誤しながら、高いものから安いものまで20個以上のウィッグを試してきました(買っただけで一度も着用しなかったものもあります)。そのため、ウィッグを自然にみせるポイントがだいぶわかるようになりました。
他人にバレないように自然なウィッグをつけたい方の参考になればと思い、押さえるべきポイントを紹介します。
手植えと機械植え
ウィッグの髪の植え方には「手植え(ハンドメイド)」と「機械植え(マシンメイド)」の2パターンがあります。これ、ウィッグ選びの際の重要ポイントです。
機械植えは機械で処理するので大量生産が可能です。そのため、値段も安く、ファッションウィッグで使われることが多いです。植え方が一方方向なので、手植えに比べると毛の流れが不自然です。また内側の布をたくさん使うので手植えよりもゴワゴワしています。
手植えは職人の手作業で髪の毛1本ずつ丁寧に植えていきます。そのため、機械植えに比べると毛の流れが自然で、軽くて被り心地もよいです。すべて手作業で行うので、機械植えに比べると値段が高くなります。多くの医療用ウィッグは手植えで作られています。
機械植えと手植えを混ぜる方法もあるため、すべて手植えで作られたウィッグは「総手植え」と呼ばれています。自然なウィッグを求めるなら「総手植え」にすることをおすすめします。
人毛100%が自然?
ウィッグの髪質には
- 人毛100%
- ミックス毛(人毛と人工毛を混ぜたもの)
- 人工毛
の3種類があります。
値段は人毛100%が最も高く、人工毛が最も安いです。ミックス毛はその中間ですが、高品質のミックス毛だと人毛100%と同じ価格帯です。
本物の髪の毛を使っている人毛100%が一番自然ですが、ミックス毛でも高品質なものを選べばかなり自然です。人工毛だけのウィッグはウィッグ特有の光沢で不自然さが残るのでおすすめしません
特に、ショートヘアの場合にはミックス毛でも人毛100%とほぼ同じクオリティのものもあるので、少しでも価格を抑えたい場合は、ショートでミックス毛にするという選択肢もあります。ミックス毛は人毛と人工毛のよいところをとって作られているので、人毛100%に比べるとお手入れが簡単というメリットもあります。ただし、ミックス毛は使っていると縮れがでてきます(特に襟足)。
これはショートのミックス毛で、約2万で通販で購入したものです。使っているとこんな感じで襟足が縮れてきます。
ショートであれば、洗って、トリートメントしてブローすればある程度までは自然な状態に回復しますが、ロングの場合はケアが大変で不自然になりがちなのでおススメしません。ロングで自然なウィッグを求める場合は人毛100%をおすすめします。
「自然なつむじ」にみえる人工肌(スキン)付き
自然なウィッグかどうかで差が出るのが前髪やつむじなどの「分け目」。ウィッグには本物の頭皮のようにみえる「人工肌(人工スキン)」が頭頂部に取り付けられているものがあります。
※人口肌は、「人工皮膚」、「人工頭皮」、「人工スキン」などとも呼ばれます
人口肌がついていると、分け目を間近で見ても頭皮から直接髪の毛が生えているようにみえるので、上からの視線も気になりません。
人工スキンがついていないウィッグは近くでみると、生え際がなかったり、ネット(網)が見えてしまったりして、素人目にもウィッグであることがわかってしまいます。
人工スキンつき(左)と人工スキンなし(右)のウィッグです。
これはリネアストリアで買った「天使のボブ人毛100% スキン付」という人工スキン付きウィッグですが、生え際は間近でみてもウィッグだとはわからないほど自然です。
こちらは人工スキンが一部にしかついておらず、生え際が網状になっているタイプのウィッグです。
両方の違いがわかるように動画をとってみました。触り心地なども確認できると思います。
自然なウィッグを求めるなら、絶対に人工スキンのついたものにしたほうがよいです。私は高級シルクを使った「絹スキン」がついたウィッグを使っていますが、すごく自然でウィッグであることが全然バレません。
通販ではなく実店舗(サロン)のほうがよい?
通販のほうが安い
最近は通販のウィッグ専門店が増えており、高品質なのにお手頃価格で買えるウィッグが増えてきています。少しでも安く買いたいなら通販がおすすめです。私も最近は通販で買うことが増えましたが、失敗したことも何度かあります(思っていたより毛量が少なかったetc)。事前に確認できない点は通販のリスクでもあります。
また、格安で販売されている通販ウィッグには粗悪品もあるので注意が必要です。
医療用ウィッグに関しては、国のJIS規格が定められているので、JIS規格認定を受けているウィッグを選べば、通販でも安心して購入できます。
※このサイトでは医療用JIS認定を受けているウィッグを紹介しています
※医療認定を受けていないウィッグでもとても高品質なウィッグもあります
初めての医療用ウィッグはサロンがおすすめ
サロンに行くことに抵抗がなければ、初めてのウィッグはサロンで試着してから購入したほうがよいと個人的には思っています。
サロンに行くと、ウィッグの基本知識、装着方法、お手入れ方法など一から教えてもらえます。ウィッグはかぶり方によっても、見え方が随分と変わってくるなどコツがあります。それらを専門のスタッフから直接教えてもらうことで正しいウィッグのつけ方やメンテナンス方法などを習得できます。また、サロンでウィッグを作ると、カット調整やアフターケアなど必要なことがすべてサロンで完結します。
医療用ウィッグのサロンは全国展開している「スヴェンソン」が有名です。私もスヴェンソンで一つ作りましたが、着け心地がよくてとても自然なウィッグです。
参考記事:スヴェンソンの医療用ウィッグ無料試着に行った体験談
高級なウィッグほど自然にみえる?
一般的には、高級なものほど高品質なので自然にみえるウィッグが多いです。しかし、高ければ高いほどよいというわけでもありません。100万円近くかけてウィッグをオーダーメイドしたのに、納得がいかなくて全然つかっていないという人もいれば、3万円のウィッグでも満足して使っているという人もいます。
これまでに複数のウィッグを作ってきた私の経験では、安すぎるものは不自然だったり耐久性に問題があったりすることが多いです。1万円以下のウィッグは人工毛なので人形みたいなテカリがあり、生え際もいかにもウィッグといったものが多いです。
最近は低価格で自然な髪質のウィッグもありますが、何回か洗っただけで毛が抜けて薄くなったり、パサパサになったりといった問題があるので日常的に使うウィッグとしてはやめたほうが無難です。
会社などにしていくためのウィッグで、人にバレたくなくて、それなりの品質のものを求めるなら5万円以上のウィッグがおすすめです。ウィッグはここ数年すごく進化しており、通販だと5万~10万円でも高品質の医療用ウィッグが購入できます。
オーダーメイドのウィッグを作るとなると10万円ではできません。安くても30万円、大手店舗だと100万円近くすることも珍しくありません。より自然で高品質のウィッグを作るならオーダーメイドに越したことはありませんが、必ずしもオーダーメイドでなくても、自分の頭に合うものがあれば既製品やセミオーダーウィッグでも十分です。
私が購入した中で高品質でコストパフォーマンスが特によかったと思うのは「リネアストリア」のREMY人毛100%シルクトップ マッシュショートという医療用ウィッグです。既製品のウィッグ(約8万)ですが、ウィッグであることは全然気づかれない自然なウィッグです(仲の良い同僚にウィッグであることをカミングアウトしたときに、全然気づかなかったと言われました)。1年以上使っていても、あまり劣化が少なくて未だにサラサラを維持しています。
まとめ
自然なウィッグを選ぶための重要なポイントは3つ。
- 植え方は「総手植え」
- 髪質は「人毛100%」または「ミックス毛」
- つむじは人工皮膚(スキン)付き
この条件をみたすウィッグは、店舗だと10万円以上しますが、通販だと3万円程度~で購入できます。
私が通販でおすすめするのは「リネアストリア」というお店です。 ウィッグをどこで買ったらよいかわからないという方は、一度リネアストリアのサイトをチェックしてみるとよいと思います。
人毛100%ウィッグも数多く扱っており、たくさんの髪型があり価格帯もさまざま選べます。品質もよいのでコストパフォーマンスが高いです。
以下はリネアストリアのウィッグのレビュー記事です
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